Jitz. LIFESTYLE

アートと柔術と、ライフハックと。

反骨精神の文学性

どんな人間にも自分にとってのロールモデルみたいな、スターのような存在の人ってのがいるもんだ。俺にとってのそれは、ブランキー・ジェット・シティの浅井健一やミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケといったロック黄金期に燦然と光輝いたカウンターカルチャーの寵児たちだった。

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多くの人にとって彼らが、いまだに憧れであり続けるのは2人とも今なお現役で、しかも第一線で活躍し続けているということだ。全盛だった当時と何ひとつ変わらぬスタイルとスタンスを貫き通している。人である以上は思想や表現するものなんかが変わるのは当然だけど、この人たちがスゴイのはまさに生き方としてぶれていないことだ。それがロックなんだって、言ってしまうことは簡単だけど。これだけ何事も流されやすく移ろいやすい世の中で変わらずにいることの難しさといったら、もう。それは「強さ」でしかない。

 

そんな人たちが紡ぐ言葉ってのも、やっぱり感覚的に尖ってるもんで。とくに浅井健一の言葉は、まるでポップアートのようなカラフルさを持っている。軽妙なリズム感をともなった特徴的な言葉遊びはまさにこの人ならではの言語感覚で、とくにソロ名義やブランキー以降のSHERBETSやAJICOなどのユニットで顕著だった。頭に浮かんだことをそのまま言葉にして吐き出してるような、脈絡のないセンテンスの玩具箱みたいなスタイルが特徴的な浅井なのだが、『Cold Finger Girl』は彼にしてはコンセプチュアルで重厚な世界観になっている。

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『Cold Finger Girl』はブランキー解散後、数年の時を経て奇跡的に照井利幸と再会を果たしたPONTIACSにおいてシングルとしてリリースされた1曲で、後に栗山千明もカバーしている。実は浅井が関わったバンドのなかでも俺がもっとも好きなのが、このPONTIACSだ。かなり硬派に寄った骨太サウンドながら、荒々しさとは対極に繊細でいて、ある種の危うさをも秘め、究極にセクシーなロックンロールを聴かせる。マッドマックスばりの未来的描写をアウトフレームにして、規範や道徳的倫理観への疑い、不条理さに対するルサンチマン的衝動を渇いた視線でストレートに描き出した。

 

誰もが生きていくうえで感じているはずの、社会に対する仄かな蟠り(わだかまり)がサビの短い文字数の中で端的に表現されていて実に印象的な楽曲だ。優れた詩は言葉が映像化するものだというのが理解できると同時に、青臭さ・反骨精神といったロック本来の文学的なスピリットが実によく体現されている。

 

Cold Finger Girl

作詞、作曲:浅井健一

 

街の入り口にはお牛のスカル飾り

 

法律は一番強い奴が決めりゃいいさ

だけどやさしい気持ちがあふれていなくちゃ

きっとみんなが反乱おこしてすぐに消える

 

ショッキングなブラッディピクチュアー

吐き気がしてくる

頭をかかえて 地下鉄乗り込む

Cold Finger Girl Cold Finger Girl

 

近未来のポリス駐禁切ってる僕のロメオの

サーフライダードライバー回して時間軸ずれ

レベルファイブの外出禁止令が出たら

峠あたりでキャンプしてるからおいでよ

 

正しい生き方 正しい死に方って

いったい誰が知っているの いったい何が教えてくれるの

Cold Finger Girl Cold Finger Girl

Cold Finger Girl Cold Finger Girl

Sit down

 

ショッキングなブラッディピクチュアー

吐き気がしてくる

頭をかかえて 地下鉄乗り込む

正しい生き方 正しい死に方って

いったい誰が知っているの いったい何が教えてくれるの

Cold Finger Girl Cold Finger Girl Cold Finger Girl

Cold Finger Girl Cold Finger Girl


PONTIACS「Cold Finger Girl」

Cold Finger Girl

Cold Finger Girl

  • PONTIACS
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes