Jitz. LIFESTYLE

アートと柔術と、ライフハックと。

混迷の時代に「術」を求めて

Hey Guys!昨年と同様に、ゆるりと年始を過ごしてのブログ事始め。いわゆる前厄の御年とも相成り、年始早々にその災禍と思しき難を嫌というほど被ったことで、入念に邪気と穢れを祓うべく名だたる霊場を巡礼したりもしていた。 そういった“見えない世界”のこ…

ありがとう、2018年

悲しみよ、こんにちは。武器よ、さらば。いやな気分よ、さようなら。 平成最後の大晦日、新年までの数時間。フロイド・メイウェザーvs那須川天心までの僅かな、ぽっかりと空いた時間。大好きだったラジオ番組『菊地成孔の粋な夜電波』も今年かぎりで終わりを…

ブラジリアン柔術が上達する(かもしれない)読書

他所様のブログなんかを拝見してると、揃いも揃って「今年読んだベスト○○冊」みたいな記事が多くって、今どきの世間の人にそれだけ読書需要があるとも思えないんだけど、なんか乗っかりたい自分がいたりもする。俺自身がわりと読書家といえる人種なのだが、…

◯◯に修行は必要か? ~ホリエモン的なものへの回答~

『堀江貴文VS.鮨職人』という新刊を読んだ。特段、ホリエモンという人間に興味はない。何故に世間では信奉者といえるほどこの人の言動をありがたがり、持ち上げる類の人たちがいるのかさえ理解できない。 ただ、ドラスティックなまでに偏重した欧米的な合理…

人生は、運よりも実力よりも「自己陶酔できる力」で決まっている

社会現象となった『進撃の巨人』作者の諫山創が、テレビで興味深いことを云っていたのを思い出した。曰く、 「(進撃の巨人は)ある結末に向かって進んでいく物語なんで、今は早く終わらせた方が。作品のためにも、全体の作品の質のためにも。できるだけ早く…

ヘンリー・エイキンスから読み解く、インビジブル柔術【解明篇】

シーザーを理解するためにシーザーである必要はない -マックス・ウェーバー 『理解社会学のカテゴリー』より (映画『イノセンス』から引用) 20世紀を代表する知の巨人マックス・ウェーバーが物事の理解には、行為自体を解釈する現実的理解と、行為の意味…

ヘンリー・エイキンスから読み解く、インビジブル柔術【入門篇】

ヒクソン・グレイシーという男に興味があった。柔術をはじめるなら、少しでもヒクソンに近づきたい。そう考えてもいた。結果的にエリオの系統ではなく、カーロスの本流であるグレイシーバッハに入門したが、今もライフワークの一環として彼の流儀を研究し続…

半径5キロメートルの聖地巡礼

武術をやっていると何か別の力に突き動かされていると感じる時がある。それはあたかも経験したことのない技を、まるで知っていたかのように繰り出すことができたり、自然に理に適った動きが実践されていたり。俺の場合やればやるほどに、何か“見えない力”が…

光と影 : タイ・プーケット見聞記

先週からシンガポールを経由してタイ、プーケットへ。タイは今、深刻な不況に見舞われていて、“微笑みの国”といわれながら市井の人々の表情はけっして明るくはない。そんな中、欧米人に人気のリゾート地として独自の地歩を獲得したプーケット島は、外貨獲得…

クローズドガード進化論 ~ブラジリアン柔術の魂を蘇らせよ~

みんな大好き解析動画を索きながら、柔術の技術解説と考察を試みようと思う。 先日、米国のコンテンツ販売サイトBJJ Fanaticsで衝撃的な記事を目にした。「クローズドガード、死にゆく技法」と題されたこの記事に書かれていたのは、近年、クローズドガードを…

想像力の時代 ~ブログ3年目を迎えるにあたって~

このブログも足掛け2年(半年ほどの中抜けがある)が過ぎ、3年目に突入する。よくもまあ、三日坊主な俺がここまでコンスタントに書き続けてるよなって印象だ。年末年始を前にして早くも総括かよってとこはあるのだが、ひとつの節目なのは確かな話で。執筆者…

張り詰めていた糸が切れた時に読む本 10冊

今週は妙に神経がざわつく。とくに理由があるわけではない。季節の変わり目なんかに不意に俺を襲うある種の違和感。突然に訪れ、いつの間にか去ってしまう妙な感覚。 目にするすべての情報が網膜に埋め込まれたフィルタをすり抜けて、とめどなく脳内に侵入し…

ブラジリアン柔術に効く『孫子の兵法』④

ブラジリアン柔術で使う「孫子の兵法」、ようやく13篇中7篇目にあたる軍争篇にさしかかった。これ以前の篇はわりと概念的で抽象的な内容だったのが、ここからはうってかわって実利的なノウハウ集になっている。しかし、さすがは孫子。たんなる教訓にとどまら…

写真家よ、カメラを捨てろ

録り溜めていたNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見た。いわゆる企業人や経済人のドキュメンタリーには興味がないのだが、この回はなんと左官職人の久住有生ではないか! www.nhk.or.jp もう10年以上も前にこの人が携わった建築を見たことがあって、深…

いらないものが多すぎる

ライフサイクルというものがある。人生もいよいよピークを過ぎ、折り返し地点に差し掛かって思うのは、いろんなものが削がれていく・失うことへの諦観だ。それは決して悪いことなどではなく、むしろ人生の虚飾を剥いでより本質へと向かうかの如きなり。ライ…

“動き”が理に適うとき ~右脳型柔術家と左脳型柔術家の発見~

このほど、ちょっとした不思議な体験をした。ブラジリアン柔術にはボトム(ガードポジション)からトップへと形勢を逆転させる“スイープ”という技が存在する。一口に「スイープ」といってもポジションによっていくつもの種類とバリエーションがあるのだが、…

誰にも教えたくない、至高の焼き鳥屋:関西編

他人には教えたくない店というのが、人それぞれにあると思う。何を隠そう、無類の“焼き鳥”マニアである俺にとってそれは当然のように「焼き鳥屋」だ。マニアと自称するくらいだから、名店と噂されるところは軒並み足を踏み入れてきた。とくに本拠にしている…

愛しさとせつなさとくだらなさと ~ちびまる子ちゃんの同時代性とアナーキズム~

ここ1ヶ月の間にもいろんなことが起きてすでに風化しつつあるけど、さくらももこが亡くなったことを受けて初めて彼女のエッセイを読んでみた。とりわけ彼女のファンでもなく、彼女の著作が好きなわけでもなく、はたまた同世代でもない俺がなにゆえ突如として…

『グレイシー柔術』を理解するための本10冊+α

ブラジリアン柔術をより深く、より精緻に理解するためには、その源流であるグレイシー柔術の研究や探求を欠かすことができない。しかし意外にも、グレイシー柔術を知るための手がかりとなる文献は決して多くはないのが現実だ。 そこで今回は俺がグレイシー柔…

写真鑑賞論⑥ ~GHOST DUBBING COMPLEX~

閑話休題、ひさびさの写真鑑賞論。前回は媒体論として展示の魅力について語った。 「メディアはメッセージである(The Midium is the message.)」と、情報を伝達するメディア自体が情報であることを喝破したのは英文学者マーシャル・マクルーハンだが、写真…

天翔“技”閃(あまかけるわざのひらめき) ~「技術」の考察~

撮りためていたテレビ番組を見て、驚愕した。*1 7月に放送された『情熱大陸』の魚店店主・前田尚毅氏の回だったのだが、なんと…テレビカメラの前で「脱水」がおこなわれているではないか。 「脱水」とは鮮魚の水分量を調整することで食感を引き締め、旨味を…

ブラジリアン柔術に効く『孫子の兵法』③

ブラジリアン柔術で使う「孫子の兵法」シリーズ、第3回にしてようやく13篇中6篇目となる「虚実篇」に到達。これ以降のトピックは賞味のところ、方法論的な戦術の範疇になるので、この虚実篇が孫子の説く戦略の中で最大のハイライトといって過言ではない。 他…

「喪われたもの」の社会学

これから、とりとめのない話をしようと思う。理由は単純で、社会学者・岸政彦の『断片的なものの社会学』という本に触発されたからだ。この本はある意味で衝撃的な内容であるわけだが、どういう本なのかを客観的に説明するのは難しい。本文にそのまま物語ら…

霊性と情熱のあいだ ~映画は『森』をどう描いたか~

久しぶりに映画を観た。数年前までは単館系の映画を中心によく観ていたのだが、最近はめっきり映像作品から刺激を受けることが少なくなり、映画館から足が遠のいていた。そんな折、河瀨直美の新作が上映されているという話を聞きつけネットで調べてみたら妙…

2018ロシア FIFAワールドカップ総括

総評 約1ヶ月の熱狂が終わった。波乱ずくめのグループステージから幕を開けた2018ワールドカップ(W杯)ロシア。しかし、決勝トーナメントは総合力に勝るチームの順当な勝ち上がりとなったように思う。最終的には俺流の地政学的分析で云うところの「ランドパ…

柔術にアイデンティティを注入せよ ~戦略的オンライントレーニングのすゝめ~

柔術に必要な、“闘魂”的な何か 元気ですかあー。 柔術にはアイデンティティがある、といったら驚かれるだろうか。 地球の裏側のブラジルで、グレイシー柔術が体系化されたのが半世紀前。もともと源流を同じくしながらも、使い手や環境によってその活用の目的…

記録的大雨の後に、想ふこと

先日来からの大雨により、西日本を中心に甚大な被害が発生している。被災されたすべての方がたに心よりお見舞い申し上げます。 書きたいトピックは山積みなれど、どうしても筆をとる気になれなかった。こんなときに決まって思い浮かぶのが、ザ・イエロー・モ…

QUINTETを解読する分析グラップリング学

QUINTET、観てます? 往年のグレイシーハンターとして、国民的人気をほこった桜庭和志が新たに立ち上げたグラップリング・イベントQUINTET(クインテット)。紳士の国・イギリスの人気格闘イベントPOLARISから最強グラップラー陣が集結し優勝を飾ったQUINTET.1…

ブラジリアン柔術に効く『孫子の兵法』②

ブラジリアン柔術で使う「孫子の兵法」シリーズ、2回目となる本記事は個人的にも孫子の思想が結集した重要な章と考えている「形篇」と「勢篇」へと突入する。観念論的な、独特の語法とコンセプトに関する言及が多く散見されるが、含蓄ある深い示唆が随所に散…

ワールドカップにみるモダンサッカーの展開

今回のサッカーワールドカップは間違いなく面白い。まだ5日目を経過したばかりだが優勝国の本命であるドイツの初戦が黒星だったり、ブラジル、ポルトガル、スペインなども精彩を欠きドロースタートだったりと、すでに波乱の様相を呈している。大会前から今大…