Jitz. LIFESTYLE

アートと柔術と、ライフハックと。

2018ロシア FIFAワールドカップ総括

総評 約1ヶ月の熱狂が終わった。波乱ずくめのグループステージから幕を開けた2018ワールドカップ(W杯)ロシア。しかし、決勝トーナメントは総合力に勝るチームの順当な勝ち上がりとなったように思う。最終的には俺流の地政学的分析で云うところの「ランドパ…

柔術にアイデンティティを注入せよ ~戦略的オンライントレーニングのすゝめ~

柔術に必要な、“闘魂”的な何か 元気ですかあー。 柔術にはアイデンティティがある、といったら驚かれるだろうか。 地球の裏側のブラジルで、グレイシー柔術が体系化されたのが半世紀前。もともと源流を同じくしながらも、使い手や環境によってその活用の目的…

記録的大雨の後に、想ふこと

先日来からの大雨により、西日本を中心に甚大な被害が発生している。被災されたすべての方がたに心よりお見舞い申し上げます。 書きたいトピックは山積みなれど、どうしても筆をとる気になれなかった。こんなときに決まって思い浮かぶのが、ザ・イエロー・モ…

QUINTETを解読する分析グラップリング学

QUINTET、観てます? 往年のグレイシーハンターとして、国民的人気をほこった桜庭和志が新たに立ち上げたグラップリング・イベントQUINTET(クインテット)。紳士の国・イギリスの人気格闘イベントPOLARISから最強グラップラー陣が集結し優勝を飾ったQUINTET.1…

ブラジリアン柔術に効く『孫子の兵法』②

ブラジリアン柔術で使う「孫子の兵法」シリーズ、2回目となる本記事は個人的にも孫子の思想が結集した重要な章と考えている「形篇」と「勢篇」へと突入する。観念論的な、独特の語法とコンセプトに関する言及が多く散見されるが、含蓄ある深い示唆が随所に散…

ワールドカップにみるモダンサッカーの展開

今回のサッカーワールドカップは間違いなく面白い。まだ5日目を経過したばかりだが優勝国の本命であるドイツの初戦が黒星だったり、ブラジル、ポルトガル、スペインなども精彩を欠きドロースタートだったりと、すでに波乱の様相を呈している。大会前から今大…

それでも世界を知りたい、あなたへ

当ブログで以前よく読まれていたものに『誰かに心酔するってのは“覚悟”が必要だ』という記事がある。 www.sandinista.xyz この記事で書いたことはつまるところ、所謂ご意見番や権威筋の発言を鵜呑みにすることなく自分の直感と経験にしたがってキャリア形成…

ああ素晴らしき哉、"美食"の世界を堪能するスゴ本5冊

『料理』は哲学的な営為だ。何故にその食材を選び、違う食材を組み合わせ、煮るなり焼くなりの調理を施すのか。そこに多元的に加えられたハーブやスパイス、ソースは作り手のどのような“戦略”を内包して、食べ手にとってどんなドラマツルギーを創出するもの…

ブラジリアン柔術に効く『孫子の兵法』

以前に「孫子の兵法」について書いたことがある。孫子の戦略の奥深さ、知見の深さ、その普遍性に改めて気づき、"生き方のテキスト"として感慨に耽ってしまったわけだが、テキストというのは実践で使えなければ意味がなく、無価値なものでしかない。 www.sand…

集中力を極限まで高めるメディテーションBGM5選

社会生活を営むうえで誰にも極度の集中力を必要とするシチュエーションというのがある。それはたとえば就・転職の面接だったり、商談、高所作業、作品制作、舞台挨拶、プロポーズ…など例示の枚挙にいとまがない。そんなとき、人はどのようにして緊張を解きほ…

“禅”的ライフスタイルで取り戻す本当の生き方

禅の世界観に感銘を受けて、ライフスタイルとして実践を生活に取り入れていることは以前の記事でも書いた。今でこそマインドフルネスやミニマリズム、シンプルライフといったキーワードが隆盛をきわめ、ストレス社会を生きるビジネスパーソンを中心に注目を…

写真集『In the Shadow of the Pyramids』/Laura El Tantawy

写真集の愛好家には必ずといっていいほど直面する命題が存在する。それは、写真家自身のこだわりの結晶である写真集は単体の一冊でもそれなりの重量と質量であることがほとんどなのだが、好みのビジュアルのものを収集していく結果、とてつもない物理スペー…

一流写真家のInstagramでわかるアートの見方

写真の媒体論について、ちょうど違う記事で取り上げている最中なのだが今回はその番外編。今や写真を鑑賞することのできる媒体は展示や写真集など場所や物質の制限を超えた。それこそ、スマホやパソコンなどのデジタルデバイスによってネット上にアップロー…

グレイシー柔術考 ~セルフディフェンスの美学~

ここに不時着された御仁は、前回の記事からお読みになられよ。 www.sandinista.xyz グレイシー柔術の真の姿に迫るためにその成り立ちを検証しつつ、大胆な仮説を代入することで欠落部分を埋めながら軌跡を辿ってみよう。なにせグレイシー柔術だけではなく、…

グレイシー・ジャーニー ~未知なるグレイシー柔術の世界~

現在、ブラジリアン柔術として普及している競技柔術は本当にグレイシー柔術の延長線上にあるものなのだろうか?ふと、そんな疑問にかられることがある。もちろんグレイシー一族の闘いが今の総合格闘技の文脈をまったく新たなものに書き換え、それが引き金と…

「批評眼」を養う読書7冊

人が自分自身を語るとき、おのずと付いてまわるのが経歴や肩書きという副次情報だ。どのようなお仕事されているんですか?ご専門は何なのですか?もはやこのメタデータ抜きにして、初対面の人間とコミュニケーションを交わすことなどできやしない。ところが…

反骨精神の文学性

どんな人間にも自分にとってのロールモデルみたいな、スターのような存在の人ってのがいるもんだ。俺にとってのそれは、ブランキー・ジェット・シティの浅井健一やミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケといったロック黄金期に燦然と光輝いたカウン…

【お知らせ】ブログタイトル、変えた

前回の投稿の末尾で宣言したとおり、ブログタイトルを変えた。なんてことのない理由だけど…前のは飽きた。これが一番でかい。まあ、なていうか。なかば、サブカル難民みたいな生き方してきてるからさ。この所在ない感じが、俺らしいっちゃあ俺らしい。 確固…

写真鑑賞論⑤ ~写真は語り、そして踊る~

久しぶりに写真鑑賞論の続きを書こう。今回から写真を鑑賞する上での媒体論に入っていく。まず言っておきたいことは、俺自身が写真集という媒体にとことん魅せられた人間だから、その他の鑑賞法についてどこまで語れるかわからんし、基本的な知識が欠如して…

擬人化された二発の弾丸

過去に見た映画の中でもっとも印象的なオープニングだったのが、アンドリュー・ニコル監督作品『ロード・オブ・ウォー』だった。実在する武器商人の半生を描いた映画なんだが、その冒頭、製造されてから着弾するまでの“銃弾”の視点で兵器の一生を映像化して…

戦略考

おなじ1冊の本が、人生の転機でまったく違う読み方になるってことがある。それは多くの場合が“古典”といわれるもので、知識と経験の蓄積によって獲得した、ある種のフィルターをとおすことで、まるで立体かのように違った角度から読めてしまうのだ。 まさに…

戦略原論 ~戦略的なるものの正体~

世の中を支配する真理みたいな、絶対的な法則性が存在するんじゃないか- 20代の頃、おぼろげながらにそう考えてた。 その真理を構成する因子さえ理解してしまえば人生の勝者になったも同然、とばかりに盲信した俺は古今の戦史を紐解いて軍事研究に勤しむよ…

improvisation ~思考の導火線~

20世紀に知的パラダイムが生み出された現場の多くは、驚くべきか“講義”の場だった。精神分析学者ラカンは学生たちとの討論によって自らの思考を深化させていったことは「セミネール」と題された講義録を見ればあきらかだし、ハイデガーやベルクソン、ヘーゲ…

築地ワンダーランド ~選び抜く生き方~

マルクスによる資本論の冒頭は、次のような一節からはじまる。 資本主義的生産様式が支配している社会の富は『商品の巨大な集積』として現れ、個々の商品はその富の要素形態として現れる これだけ世の中に良い商品や他にない製品が溢れている現代。これ以上…

柔術のポジショニングとコントロール

人の価値観や印象なんてものは、概ね多感な時期にインパクトを受けた事物に規定されている。俺のライフスタイルと化したブラジリアン柔術の競技人口は、ちょうど1980年前後かそれ以前が生まれ年の、俺と同年代の人が圧倒的に多いように思う。 それもそのはず…

写真集『Songbook』/Alec Soth

去年見た中でのベスト写真集は?と問われれば、迷いなく挙げる1冊がある。世間的に大変な評価を受けている時代の寵児による作品集ではあるのだけれど、<彼>について多くを知っているわけではないし俺は熱烈なファンでもない。むしろ<彼>が何を表現しようとし…

手抜きくらいがちょうどいい

毎年のことではあるけれど、新たな年度の区切りというのがどうも苦手だ。改まったところで急に何かが出来るようになるわけではないし、願をかけたとしても一体どれだけの確率で報われる人間が存在するのだろうか。人生、苦もあれば楽もある。それらは常に紙…

禅と武術の果て ~呼吸を巡る身体的考察~

禅仏教の思想は徹底してパンクだ。なんたって真理が「空(くう)」であるとするなら、その原理論に内在する「空」性は帰納的に証明することはできない。真理は知性的に「無い」のだ。まるで、公理可能な理論に矛盾性がなければ証明も反証もできない命題が存…

幸セノカタチ

年末の世間的なご多分に漏れず、喧騒の中をいろんな人たちと酒席を共にしてもらっている。様々な人の話を聞いてその人生を垣間見るにつけ、つくづく幸せのかたちって人それぞれだなって思う。子供が出来たやつ、まだ結婚してないやつ。趣味に生きる人、仕事…

写真鑑賞論④ ~レンズが見つめる先~

そもそものアートとしての写真の定義から始めて(第1回)、写真芸術の読み解きの例示(第2回)、そして写真編集(第3回)について言及してきた写真鑑賞論の4回目。今回は表現形式としてのジャンルについて論を進めてみたいと思う。前回の写真編集も同様だが…